自分の本音に気付いた瞬間

こんばんは、にじの青です。

今日は、先日、あることをきっかけに自分の本音を知ることがあったので、そのことについて。

「オモシロい」ってなんや、それ?

私、現役の「女王」という肩書をもつサービス業従事者なのですが、いろんなお客様に出会います。皆様、それぞれにご利用目的があり、ご予算に応じた時間内で、お求めになられる目的が最大限、叶うように、様々な手段で対応させていただいおります。

で、も、ですね。

今回、久しぶりに、カチンと来たことがありました。

それが、「オモシロいオプションって無いの?」という言葉です。

「面白い」って非常に汎用性が高い言葉です。

お前、おもろいな、というのは、関西では最高の褒め言葉だということも存じてはいます。

興味深いという意味で、使われる言葉でもあります。

でもね、その時、私はひさびさに真顔でカチンときました。

「今、お前、なんて言った?」からに始まり、真顔で延々問い詰めモード。

職務柄、問い詰めることや怒鳴る、罵倒などはしょっちゅうするのですがが、それはあくまでも求められている上での行為ですので、ある種芝居がかっています。

けれども、このときばかりは、冷静さを意識しなければならないくらいに、個人的にイラっと来てました。

何故、「オモシロい」という単語に反応してしまったのか。

それは、イラっとした直後、自然と自分で気が付きました。

自分が真剣に取り組んでいること

「オモシロい」という単語に、過剰反応した私の本音には、

「自分はこの世界やこの仕事が好きだ」

という、自分の好きなものをけなされたときの憤りがあったのです。

最近でこそ、初対面の人にも自分の職業についてお話しすることも増えましたが、世間一般からして性風俗のなかでも、一番理解がしにくい業種であるBDSMという世界は、「なにそれ?うまいの?」という世界だと思います。

実際、このブログ自体を立ち上げるに当たり、友人にある程度、設定や書き方などのコンサルをしてもらったのですが、用語にしても、何にしても、「未知過ぎる」ことが多かったようで、セクシャリティの多様化などといっても、まだまだ、ほんの氷山の一角程度しか見えておらず、セクシャルマイノリティという存在が一般知識として浸透するには、時間も情報量も足りていないのだなとも思います。

BDSMがどういう世界なのかを語ると、軽く10万字越えの論文になりますので、そちらについてはまた、別の機会に書かせていただくとして、サービス業としての「女王」の元には、だいたい大きく分ければ、2通りの利用パターンがあります。ひとつは、女性に主導権を握られて、被虐願望を満たされたい人たち。もうひとつは、ノーマルの性風俗サービスに飽きて、目新しい別のサービスを求める興味本位の人たち。今回、私がカチンときたのは、もちろん後者パターンの人でした。

激辛ラーメンをチャレンジする

興味本位であったとしても、サービスして提供するわけですから、こちらは常に、真剣です。

食レポバラエティなどで、激辛ラーメンやゲテモノ料理などを面白半分にとりあげることがありますが、作っている人はいろいろ試行錯誤して、「お金を取れる価値がある」レベルになったから提供しているわけです。もちろん、客寄せパンダとしての効果を狙っている場合もありますが、テキトーにちゃちゃちゃっと作っているわけではないのです。

もちろん、世の中には、「辛ければ辛いほど、興奮して食べたくなる」辛い物マニアなひとたちもいらっしゃるので、なおのこと激辛料理というのは、ただ「辛ければいい」のではなく、「辛いけれど、美味い」という難関料理でもあるのです。今は、すぐ、SNSでお客様が個人の感想を発信できる時代ですから、「めちゃくちゃ辛くて、料理としても美味い」状態の完成度であるかどうかなんて、すぐバレてしまう訳です。

つまり、食べる側は、興味本位だけだとしても、提供する作り手側は、真剣に食材を研究して、提供している。

これって、実はすべてのサービスにおいていえることでもありますよね。

BDSMは激辛ラーメンと同じ

私は、よく食べ物に例えて、自分がしている役目のことについて説明をします。よく使うのが、ラーメンやファミレス。

ラーメンって、ものすっごく種類があるでしょう?ファミレスって、ある程度の食べ物飲み物が揃っている。でも、どちらにも言えるのが、自分で選ばないと食べたいものにありつけないところ。

たとえば、サイゼリヤに行ったとしても、「今日はおまかせで!」でと伝えて、自分の食べたいものが100%全て出てくるわけではありませんよね?かつ丼食べたいのに、サイゼリヤ行っても、無理です。だって、お店のジャンルはイタリアンですから。自分でメニューから何を注文するか決めて、呼び出しボタン押さないと、注文すら聞きに来てくれません。ドリンクバーだって、温かいコーヒーなのかジュースにするか、ハーブティにするかも、全部自分で選ぶわけです。

BDSMも、同じなのです。懐かしの「ビストロSMAP」と一緒で、当店にはメニューがございません。ゲストの食べたいものをご注文いただいて、シェフが調理します。だから利用する相手の要望がざっくりでもわからないと、「ナニしにきたの?」と質問攻めされてしまうのです。そして、多くの初心者さんたちは、自分の性嗜好をうっすらとしか自覚していません。「辛い物食べてみたい」くせに、「自分の辛さ限界」を把握していないまま、勢いでLEEの50倍を買って、むせて食べられないまま、「辛い物コワイ」と勝手にトラウマ化してしまう。

そりゃ、当たり前です。

辛い物を美味しく食べたいなら、自分の味覚限界値を知る。そして、徐々に辛さのレベルを上げていけば、辛い物への耐性は鍛えられます。そう、辛さトレーニングが必要なのです。

普通に射精するだけじゃ、なんか物足りないから、SMってどんなもんかと思って来た。そういう人に、逆さ吊りして、血が出るくらい鞭でビシバシしても、ただの虐待ですので致しません。「女王様コワイ」のトラウマ作るだけですので。そういう人には、もっと別のアプローチがあるのですが、その話をし始めるとキリがないので、別の機会に。

私の好きな世界

セクシャルマイノリティをうっすら自覚しつつ、LGBTには居場所の無かった私が、気が付けばBDSMの世界にかれこれ10年以上お世話になっているのは、単純に好きだからです。

何が好きかと訊かれると、これまた延々書き続けてしまうので、簡潔に言います。「相手が自己開示していく様子を観察する特権がある」からです。毎回、肉体ってすごいポテンシャルあるな!とか、人間の感情って、繊細で興味深いなと驚きに満ちています。仕事ではありますが、目の前の相手に楽しませてもらっているので、趣味と実益、好きなことを仕事にしている一つの例です。

人間て欲によって、成長する生き物です。

そのものすごく、原始的な欲求を満たそうとしている相手に対して、どこまでのことが出来るかはいつも、手探りです。経験から推測するパターンと嗜好を頭の中であれこれこねくりまわして、限られた時間内にどこまでの娯楽を提供できるのかが、私の役目です。

とにかく、私がとてもニッチでマニアックな世界がたまらなく好きだと言う事が、最初から最後まで詰まった記事になりました。

とうとがなし

Much Love Always with You

にじの青